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『新釈 走れメロス 他四篇』
- 2020/06/23(Tue) -
森見登美彦 『新釈 走れメロス 他四篇』(祥伝社文庫)、読了。

「走れメロス」など、古典の名作を森見ワールドで再構成した短編集。
「新釈」となっていますが、「エッセンスだけ抽出しました」と言った方が良いぐらいかもしれません(苦笑)。

舞台は京都の大学、たぶん京都大学。
偏屈な人生哲学のもと、無事に4年で卒業していく同級生を横目に、
大学にだらだらと居続ける齊藤秀太郎。
次第に現実世界と自分の思い描く世界とのギャップに自尊心がついていかず、
世捨て人として天狗になってしまう「山月記」。

自意識過剰な大学生の成れの果てと言ってしまえばそれまでですが、
京都大学の歴史と日本の大学界における位置づけを考えると
こういう学生が出てくるからこそ京都大学の存在意義があるんだよなぁ・・・・と
変なところで納得してしまいます。

そのあとに続く作品にも、ちょいちょい齊藤秀太郎が登場しますが、
こういう社会に何の役にもたたないのに、同窓生に影響を与えまくる人物というのは
やっぱり興味をもって眺めてしまいますよね。

国立大学の歪んだ存在意義を面白おかしく読めるのが、森見作品の魅力かなと思います。
その魅力全開の短編集ですね。

「走れメロス」の、何の必然性もない京都市内を逃げまくるという展開、
そして、お互いに絶対に約束は守らないと分かりあっているメロスとセリヌンティウス(笑)。
信用しあわないという信頼関係が成り立つんだなという変な構図です。
この作品が、一番くだらなくて一番好きだったかも。

本作、「走れメロス 他四篇」というタイトルだけを見て
無垢で真面目な中高生が購入してしまわないことを願うばかりです。




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コメント
-興味が湧きました!-
はじめまして。KAZUMAKIと申します。
とても興味深い内容でした。
「走れメロス」がまた新しい形で表現されている物語、とても興味が湧きました!
また拝見させていただきます!
よかったら私のチャンネルもご覧になってください!
〈ライフハックサラリーマン〉
2020/06/27 15:37  | URL | KAZUMAKI #-[ 編集] |  ▲ top

-CMありがとうございます-
KAZUMAKI様

CMありがとうございます!
Youtubeチャンネルをされているんですね。
お邪魔させていただきます。
2020/06/28 23:40  | URL | かもめ組 #obYDgEv2[ 編集] |  ▲ top


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