『淋しいのはお前だけじゃな』
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- 2020/06/16(Tue) -
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枡野浩一 『淋しいのはお前だけじゃな』(集英社文庫)、読了。
私が読む本の中で「短歌の人」というと、枡野浩一氏と穂村弘氏がごっちゃになってしまいます。 まだ、私の中できちんと蓄積ができていない感じです。 今のところ、「暗い」枡野氏と「恋愛こじらせ系」穂村氏というザックリとした区別です(苦笑)。 で、本作は、暗い枡野氏の初の雑誌連載をまとめたもの。 短歌が一首と、その歌ができた背景を解説というよりはエッセイ風にまとめた作品です。 短歌も共感できるものが多くありましたが、それ以上に、エッセイの内容の方に興味が持てました。 周囲の人に言われたことや体現されたことに対して、 どんな風に受け止め、何が著者の心の中に残り、そしてそこから歌が生まれたのか。 短い文章の中できちんと表現されていて、ものすごく丁寧に熟考して書かれたエッセイなんだろうなと その思考の厚みを感じられるものでした。 恋の歌より、仕事の人間関係や、人間関係の社会性を詠んだ歌の方が印象に残りました。 自分自身、いろいろ複雑な人間関係の中で、最近、考えることが多いからかな?と思います。 ユニークなイラストも楽しめて、仕事が立て込んでいる中で ホッと息を付ける読書タイムになりました。 そして、最後まで私はタイトルを 『淋しいのはお前だけじゃない』という同朋意識を誘うものだと勘違いしてました。 『淋しいのはお前だけじゃな』という、とっても突き放したタイトルなんだということは、 最後の最後、長嶋有さんの解説を読んでいて気づきました(爆)。 ![]()
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