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『ツーアート』
- 2020/05/23(Sat) -
ビートたけし、村上隆 『ツーアート』(光文社知恵の森文庫)、読了。

芸人として社会に大きな影響を与えただけでなく、映画監督や役者としても実績のあるビートたけし氏と
お花、Mr.DOBなど日本の若者ならみんな知っているであろう作品を作る村上隆氏の
往復書簡形式の対談です。

芸術とは?アーティストとは?作品とは?みたいな
抽象的な概念について語り合っており、様々な角度から定義づけをするような試みもしていますが、
興味深い考察だなと思った反面、いわゆる芸術家自身が一生懸命「芸術」の定義づけを
しようとしている姿に、正直「寒いな」と思ってしまったのも事実。

「芸術」と「工芸」の違いって、
結局、日用品として使用できる常識的な範囲に価格が収まっていれば「工芸」で
常識を超える値段が付き始めたら「芸術」なんだと思ってます。
で、値が付かないものは「自己満足」(苦笑)。

最近、美術品盗難に関する本を読んだばかりなので、一層強くそう思ってしまうのかもしれませんが、
日常生活をかけ離れた値段をつける人が出てきたら、そこからが芸術なんじゃないかなと。
それが、本当に作品の価値を思って付けられた値なのか、投機対象としての値段なのかという
本質的な部分の差異を見極めようするのは無駄なことなのじゃないかなと思います。
結局、見る側が判断することですから。

そして、村上隆氏の自己紹介の嫌味っぽさ。
「僕自身は、貧乏な家の出身でした。絵しか描けないから、生業を立てるにはこれしかなくって」
生業を立てるのに絵を描くことしか選択肢がないって、ありえないですよね。
今の時代、宅急便の配達員さんとかになったら、きちんと食べていけて
しかも世の中からとても感謝される仕事ですよね。
配達員になるには、地道に働く素質は必要であっても、特別なスキルは要らないと思いますし。
そういう世の中が人材を求めている職業がたくさんあるのに、「絵しか描けない」とか言ってしまうのは
自己陶酔だと思いますし、芸術家として売れたから言えるセリフだと思います。

芸術家の嫌な面をさらけ出しているという意味では、痛面白い本かも(苦笑)。

前に読んだ村上隆さんの新書では、
素直に、ビジネスとしての芸術を語っていて、とても面白く読みました。
本作でも、小難しいことや小綺麗なことを言わずに、もっと本音の「稼業としての芸術家」を
2人で語ったら面白かっただろうになと思ってしまいました。




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