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『残り全部バケーション』
- 2020/05/16(Sat) -
伊坂幸太郎 『残り全部バケーション』(集英社文庫)、読了。

当り屋や恐喝など、いろんな悪事を、他人からの依頼でやってあげる
悪の代行業コンビ溝口&岡田。
そんな生活から岡田が足を洗おうとして・・・・・・という話から始まります。

最初は、岡田目線で物語を見ていたので、
溝口の口八丁手八丁で適当に生き抜いていく姿に、
「こんなダメな人って、いるよねー」と距離を置きながら見ていたのですが、
岡田の次に別の男と悪徳コンビを組んでいく溝口の様子を見ていたら、
だんだんと、なぜか応援するような気持ちも芽生えてしまい、
「岡田をもっと大事にしておけばよかったのに・・・・」というような憐憫の感情も出てくるほどに。

なぜか岡田が素敵な人に見えてしまうという異常事態ですが、
もとは下っ端の悪人にすぎず、なんでこんなにどのキャラも魅力的に見えてしまうのだろうかと
伊坂ワールドの不思議を体験できます。

逆境に陥った時に、残りの人生はバケーションだと開き直れるような人間の図太さって、
大事なのかもなぁ・・・・と思った読書となりました。




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