『コレキヨの恋文』
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- 2020/04/25(Sat) -
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三橋貴明、さかき漣 『コレキヨの恋文』(小学館)、読了。
ヒットしていたので気にはなっていたのですが、 著者が三橋氏とは知りませんでした。 小説仕立てになっているので、プロットを三橋氏が書いて、 さかき漣さんという共著者が小説に書き上げたのかな?と予想して さかき漣さんでググってみたら、なんと三橋さんの元嫁であると出てきました。 えっ、あのDV被害の人!?とビックリしたら、この人はその前の嫁さんだったみたいで、 なんだか複雑な三橋家の内情を覗いてしまいました(苦笑)。 さてさて本題ですが、民主党政権から自民党政権に戻った頃が舞台で、 元総理大臣の朝生に担ぎ出されて神輿に乗せられた総理は、なんと30代の若手女性議員。 とにかく国民の人気取り最優先という人選でしたが、 首相公邸の庭で高橋是清と時空を超えて経済についての教えを乞うたことで デフレ脱却の積極経済政策に開眼していく様子が描かれています。 高橋是清が大蔵大臣を務めていた第一次世界大戦と第二次世界大戦の間の時期と 現代の失われた10年との、あまりにも類似点が多いことには驚きました。 歴史上の話なら、整理して、理屈で理解し、評価もできるのに、 現在進行形の話だと、いろんな情報が錯綜したり、様々な主張がこんがらがったりして 冷静に議論できないところが難しいんだなと。 100年前に、このような同じ状況に陥り、失敗を重ねた記録があるならば、 同じ過ちを犯さないように、別の政策に賭けてみるというのは分かりやすいなと思いました。 (三橋氏は、「賭け」ではなく「正解」と主張しているのだとは思いますが) まぁ、私は、政策というのは、全て社会実験に過ぎないと思っているので、 正解があるわけではなく、仮説を立てて、いろいろ試して上手くいかないところを適宜調整して、 PDCAを回していくことが一番効率的なのかなと思っています。 その柔軟性が時の政権にあるか、また忍耐力が時の国民にあるかという点がポイントなのかなと。 経済の解説に関しては、国民経済と個人経済についての話が一番興味深かったです。 そして、「貯蓄」というものの意味も。 お金を動かしていく、回していくということの大切さがよくわかりました。 そして、政治の役割という点では、就任から丸1年を迎えたときに女性首相が行った 自分の「無知」を認め、国民の「義務」を突き付ける迫力が印象に残りました。 まさにそうだなと。 「政治家を落選させ、責任を取らせることは、有権者の権利ではなく義務」 これは、すごいメッセージだなと思いました。 政治のレベルは有権者のレベル以上にはならない、まさにその通りだと思います。 一人の社会人として、これは肝に銘じないといけないことですね。 ![]()
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