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『晴れ女の耳』
- 2020/03/07(Sat) -
東直子 『晴れ女の耳』(角川文庫)、読了。

晴れ女の「耳」って一体どういうこと!?と思って買ってみました。

和歌山の民話を題材にした怪奇短編集とのことですが、
現代世界に置き換えて語られているので、
余計に不気味感が増しています。

和歌山県は、わが町・三重県のお隣さんですが、
伊勢の神様のカラッと明るい雰囲気とは違って、
熊野の山々の神様の雰囲気って、ちょっと重たく暗い印象なんですよね。
もともとの自然環境の過酷さに、修験道の影響が重なったものかもしれませんが。
本作は、そんな和歌山の重たさがにじみ出てて、雰囲気出てるなーと思います。
ただ、和歌山弁ってこんなんだったっけ?とちょっと違和感を覚えるところもありますが。

冒頭の「イボの神様」のお話が印象に残りました。
指にできたイボをキレイに直してくださいとお願いする対象のイボ神様。
ところが、信心に迷いや疑いが生じると、罰が当たってイボだらけの体になってしまうという
なんだか頼るのが非常にリスキーな神様のお話(苦笑)。

イボができちゃった少女の目から見た、イボと人々の生活を追っていますが、
イボ神様の呪いに絡めとられて必死に祈っている姿など健気です。
そして、最後、さくっと話を締めてしまうのも、なんだか民話っぽい感じです。

あと、「先生の瞳」も怖かったです。
伝説の物書きの元へ原稿を取りに行かされた若手編集者。
こんな展開はおかしいと頭ではわかっていても、
言われるがまま異世界へ引っ張り込まれていく様子は、
自分がこんなことに巻き込まれたらどうしようという非現実的な心配をしてしまうほど
なんだか存在感のある物語でした。

8つの短編が収まっていますが、後半はちょっと、さすがに一気に読むと
同じようなテイストが続いてしまうので、飽きてきてしまいました。

でも、民話のもつ吸引力のようなものを感じさせてくれる短編集でした。




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