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『「あたりまえ」を疑う社会学』
- 2020/02/19(Wed) -
好井裕明 『「あたりまえ」を疑う社会学』(光文社新書)、読了。

なんとなくタイトルで買ってきた本でしたが、これは当たりでした。

社会学者が、質的調査であるフィールドワークの落とし穴を解説していくことで、
さも客観的に調査されたかのように見えてしまう調査結果の解釈の仕方を
教えてくれます。

量的調査の代表格であるアンケ―ト用紙を用いた調査ですと、
誘導的な質問や回答しにくい質問のせいで、正しい結果が導き出せないケースというのは
想像しやすいものですが、質的調査における事実の歪め方ということが見えてきて
非常に興味深かったです。

そこに恣意性や悪意がある場合は当然歪みますが、
そういうものがなく、自然な状態で解凍してもらったのに、
質問者や回答者の思い込み、また不適切な言葉遣いによる心理的な嫌悪感などが
口をつく回答に影響を及ぼし、事実と異なる回答像がつくられて行ってしまうという現象が
具体的なフィールドワークの実施結果から振り返られており、説得力がありました。

フィールドワークの対象が、左翼が好みそうなテーマが多いので、
その結果の質に対する批判を行う著者の言い分は、左翼には評判が悪そうですが、
でも、冷静な分析というは、左右の壁を越えて必要な姿勢ですね。

あと、Amazonの評価が思ったほど高くなかったのですが、
この本をフィールドワークのマニュアル本と捉えている人の評価が低かったようです。
ノウハウではなく心構えやありがちな罠を示した本なので、
それは、もともと求めていたものがズレてたのかなと思いました。

素人でも手に取れるフィールドワーク関連の著作の紹介も多数されており、
その内容も抜粋で紹介されているので、読みたいと思う本がいくつか見つかりました。
著者自身の著作もそれなりの数があるようなので、今後追いかけてみたいと思います。




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