『悟浄出立』
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- 2020/02/13(Thu) -
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万城目学 『悟浄出立』(新潮文庫)、読了。
何かの書評で見て、読みたいなと思っていた本です。 5つの短編が収められており、『西遊記』がモチーフの表題作以外には、 『三国志』や楚漢戦争など、中国の有名な物語が扱われています。 ポップで歪んだ万城目節の世界観なのかなと思いきや、 かなり真面目なトーンで物語が進んでいき、意外な印象でした。 そもそも、私の中では『西遊記』となると、香取慎吾や内村光良が頭の中に出て来ちゃうので 「あれ、なんだかキャラが違うなぁ」と、最初は戸惑ってしまいました。 もちろん、TVドラマの方が変なキャラ付けになってるはずなのですが(苦笑)。 あぁ、この沙悟浄は自分に自信がなくて消極的な人なんだ・・・・と分かってからは、 物語の世界観に入っていけました。 猪八戒が「天蓬元帥」として天界では英雄視され尊敬されていたというのは、 初めて知った設定だったので、驚きました。 伊藤淳史さんの猪八戒とは大違い(笑)。 本作での御一行様の中では、沙悟浄が一番人間の煩悩や苦悩に近いところで 悩んでいるように感じました。 だからこそ、その勇気の無さや消極さに共感を覚えるのでしょうね。 『三国志』や楚漢戦争までは、中学生の頃にジュニア小説や漫画で読んだので、 それなりに歴史的な流れも把握できており、登場人物も名前である程度分かっていたので すんなり読めたのですが、後半の2作品は、ちょっとしんどくなって流し読みでした。 中国の古典は面白いと思うのですが、 本作のような独自解釈の本を読む前に、きちんと古典に沿った本を読んでないと その面白さがわからないままになってしまいますね。 『水滸伝』、中学生の時に途中で挫折したままなので、 いつか、ちゃんと読まないといけないのですが・・・・・。 ![]() |
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