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『本当のことを伝えない日本の新聞』
- 2020/01/27(Mon) -
マーティン・ファクラー 『本当のことを伝えない日本の新聞』(双葉新書)、読了。

日本で活動する外国人ジャーナリストが書いた
日本の新聞業界に対する批判の書。

東日本大震災における取材活動のスタイルの違いにページを割いて
日米比較を行っています。

正直、優秀なジャーナリストとそうじゃないジャーナリストの差は
洋の東西に関係なく存在すると思うので、
ピューリッツア賞ファイナリストががフツーな人を批判しても仕方なくない?と思ってしまいました。
どうせダメだしするなら、日本の有名ジャーナリスト(=日本人が一定の評価をしている
ジャーナリスト)を名指しで批判すればよいのに・・・・と思ってしまいました。

とまぁ、話の構造はあんまり納得できなかったのですが、
日本の特殊な事情である記者クラブに対する批判興味深く読みました。

記者クラブの閉鎖性については、前に上杉隆氏の本で読んだので
それなりに理解していつるもりだったのですが、
外国人記者の目から改めて批判されると、やっぱり日本に独特な制度なんだなぁと
思わざるを得ません。

そして、そのような環境に飼いならされている新聞記者の取材スタイルと、
米国流の新聞記者の取材スタイルとの違いが
311直後の震災現地からの報道の在り様で際立って表現されていて
分かりやすかったです。

正直、アメリカのジャーナリストも、
トランプ大統領に対する何でもかんでも批判的な姿勢とか、
O・J・シンプソン事件やジョンベネ事件の過熱報道の様子とかを思い出すと、
正しい価値観のもとに報道しているとはとても言えないような部分も多いように思います。

また、記者クラブはないにしても、ジャーナリストで構成された
何らかの利権団体とか圧力団体とかあるんじゃないの?とも思ってしまいます。

日本のジャーナリズムへの批判は、あってしかるべきだと思いますが、
米国のジャーナリズムは、盗作したり意図的誤報を出したりしたのが
個人の記者の責任として片付けられているのは、本当にそうなのかな?とも思います。
アメリカにはアメリカなりの、構造的なジャーナリズム業界の問題点ってあるんじゃないのかな?って。

まぁ、本作の本題ではないから割愛したのかもしれませんが。
日米のジャーナリズムの本質的な比較解説を読んでみたいです。




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