連城三紀彦 『顔のない肖像画』(新潮文庫)、読了。
連城作品って、書評とかで絶賛されているのを見つけて読んでみたりするのですが、
イマイチはまることができずに、読んだ冊数も伸び悩んでます。
本作も、誰かが高評価しているのを目にして「読みたい本リスト」に入れていたはずなのですが、
やっぱり同じような感想になってしまいました。
短編集で、冒頭の2つが、性的な描写に重きが置かれていて
好きな作風ではなかったために気持ちが乗ってこなかったというところもありますが
この読書を通じて自分なりに発見したのは、
平成の時代の作品にもかかわらず、文章がとっても昭和な感じがすることにあるのかなと。
そこに、同時代性を感じられず、物語の世界に入っていけないのかなと思いました。
文章の特徴とかが似てるかどうかは別として、
私が読んだ感覚だと、松本清張の作品を読んでいるのと同じような時代を感じてしまいます。
ド昭和な小説に思えてしまうんですよね。
たぶん、文章の描写の仕方とか、使っている言い回しとか、会話文の端々とか、
そういうところで感じているのだと思います。
一言で言うと、古い!ってことですね。
本作は、性的描写の最初の2作を除けば、
他の短編は、結構面白い視点で真相が構成されていたり、トリックがあったりで、
「へぇ~」と思うところも多かったのに、文章が古臭いからのめりこめず残念でした。
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