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『7つの会議』
- 2020/01/15(Wed) -
池井戸潤 『7つの会議』(集英社文庫)、読了。

ちょっと分厚い本だったので積読でしたが、
挑戦してみたら一気読みでした。
面白かったです。

とある家電メーカーグループの子会社が舞台です。
営業一課の若手エース課長が突然パワハラで部下に訴えられ人事部付に。
同僚からも不可解なパワハラ騒動だったものが、
次第に、コトの真相が見えてきて・・・・。

タイトル通り、この会社にまつわる7つの会議の描写を通して
パワハラ事件の真相に迫っていきます。
ただ、タイトルで強調しているほどには、「会議」というものをクローズアップした内容ではなく、
7つの章の中にそれぞれ会議のシーンが登場してくるというだけでした。

「会議」を無理にクローズアップしなくても
十分、ストーリーを追うだけで面白いと思える作品でした。

最初、第1章が終わった段階では、
「えっ?第1章これで終わり???」とポカンとしてしまい、
さらに第2章では一気に目先が変わる話が始まるので、
最初は構成がうまく見えてなくて、ちょっと混乱しました。

しかし、第3章ぐらいまで読んでくると、
最初のパワハラ事件の意味合いが少しずつ見えてきて、
その真相を小出しにしていく感じが絶妙の匙加減でした。

それにしても、舞台となった東京建電は、腐った役員が多いのですが、
大手メーカーグループの子会社って、こんな感じなんですかね?
親会社からくる役員と、生え抜きの役員、
親会社から降りてくる予算と、現場の力で達成できる売上予測、
その対峙関係がかなり厳しく、そこから腐った判断が生まれてしまっています。

私自身、金融グループ会社の子会社に居ましたが、
まぁ、親会社が銀行ということで、不祥事はきちんと公表していたと思います。
取引先への説明とか、場合によってはマスコミ公表とか。
隠してて、もし見つかってしまったら取り返しがつかないという判断が
働いていたと思います。
今回の東京建電では、「隠せる」という判断を重ねていきましたが、
正直、こんな事業規模において、「隠せる」という判断が成り立つのかなぁ?と疑問も。
でも、三菱自動車のリコール隠しとか、日産の検査不正とか起こってるので、
メーカーにおいては意外とよくある判断なのかしら?

「日本製」が「高品質」の裏付けだった時代はもう終わってしまったのでしょうかね。
ちょっと悲しい読後感が襲ってくる作品でした。




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