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『逢魔が時に会いましょう』
- 2019/12/23(Mon) -
荻原浩 『逢魔が時に会いましょう』(集英社文庫)、読了。

荻原作品って、モノノケだったり幽霊だったり
そういう異界と人間界の境目に居そうなものを好んで扱いますよね。
そんなに怖くなくて、逆にホロリとさせられることが多いので、安心して読めます。

本作では、モノノケが居るのか居ないのか知りたいと研究する准教授と、
就職に失敗し院に逃げようとしている女子大生の助手のコンビが、
日本の田舎にフィールドワークに行くというお話3つ。
座敷童、河童、天狗と、日本古来の由緒正しきモノノケが登場してきます。

准教授と助手のコンビは、凸凹コンビでクスっと笑えるお気軽さ。
一方で、モノノケの話の方は、なぜそのような伝承が生まれてきたのかという
歴史や文化の筋から解説した民俗学的内容が興味深く、
軽いタッチで濃い内容を伝えてくれていると思いました。

助手が准教授のどこに惹かれたのかは正直謎でしたが(笑)、
これだけ一緒に怖い思いをしてきたら、まぁ、そうなっちゃうのかな。

日本の歴史や文化の厚みを手軽に感じさせてくれる作品でした。




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