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『とにかくうちに帰ります』
- 2019/11/25(Mon) -
津村記久子 『とにかくうちに帰ります』(新潮文庫)、読了。

津村作品は、共感できるものできないものにはっきり二分されてしまうのですが、
本作は残念ながら共感できない系でした。

というか、冒頭の「職場の作法」という連作短編が、
何を描写したかったのか、よく分かりませんでした。
この手の職場モノは、「そうそう、それあるよね~」という共感性が大事だと思うのですが、
本作では、どこに焦点を置いているのか分かりませんでした。
山場に欠ける話が淡々と続き、ぷつっと終わる感じ。

なんだか世界観が良くわからないまま読み流していくと、
連作短編の枠から外れつつも、登場人物たちは同じの別の短編が始まり、
こちらには興味が持てました。
ひょんなことからアルゼンチンのフィギュアスケート選手(成績微妙)を応援することになり、
職場の先輩で、その人が応援した選手やチームが成績がた落ちや大怪我を巻き起こすという
疫病神的な人に見つからないように祈っているのに・・・・という
仕事とは全く関係のない職場の人間関係を描いた作品でした。

別に何か重大なテーマ性があるわけではなく、
「長野五輪でキャンデロロって選手いたよなー」という変な記憶が蘇ってきたり、
まあ、どうでもよい日常を描いた作品で、気軽に読めました。

そして最後の表題作は、埋め立て地に職場がある主人公たちは、
ゲリラ豪雨以上の短期集中豪雨に見舞われ、交通手段が寸断される前に埋め立て地から脱出しようと
職場全員が早退をしますが、決断力のなさというか、判断力のなさというか、
すんでのところでバスに乗り遅れ、その後のバスは混乱で到着せず、
歩いて埋め立て地を脱出することに・・・・。

道すがら知り合ったオジサンや小学生と一緒になって、
まるでちょっとした冒険譚ですが、まぁ、判断力のない人はどこまでいってもツイてないというか
そんな星の巡りの悪さを描いた作品。

お人よしなのかもしれませんが、そういう人だからこそ触れ合える
人の温かさみたいなものがあるのかな。
豪雨の中での人間のささやかな助け合いを描いた作品でした。




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