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『埋蔵金発掘課長』
- 2019/11/15(Fri) -
室積光 『埋蔵金発掘課長』(小学館文庫)、読了。

ブックオフに室積作品が結構並んでたので、
まだ読んでない作品を全部買ってきました(笑)。
室積ワールドって明確なので、ある意味安心して買えます。

で、本作は、広告代理店を早期退職して山口県の実家に戻った男が主人公。
Uターン後に一緒に暮らすはずだった父親にすぐに死なれてしまい、田舎で一人暮らし。
生活に困っているわけでもなく、午前中に近所の直売所に野菜を集荷するバイトだけ。
あとはのんびり浜辺で海を眺めたり、夜は家に同級生を呼んで宴会の日々。
そんな男に、市役所勤めの同級生が市長命令の仕事を持ち込んでくる・・・・・。

物語の軸は、財政が苦しい自治体が一発大逆転を狙って
埋蔵金発掘に乗り出すという、ドタバタコメディの王道で、
埋蔵金発掘課のメンバーや協力者も曲者ぞろいなのですが、
個人的には、発掘話よりも、地方での暮らし方や弱小自治体の大変さみたいなところに
興味を持って読みました。

「埋蔵金発掘課」なんて名前にしてしまうと、絵空事でリアリティがないように思えるかもしれませんが、
各地の自治体が取り組んでいる「自称・町おこし」みたいな企画の大半が、
埋蔵金発掘と同じようなレベルなのではないかと思ってしまいます。
正直、千三つの世界。

市長の思い付きで市役所職員が翻弄されたり、
口の回る市役所職員が知り合いをうまく巻き込んで活動を押し付けたり、
市役所の変にやる気のある職員は能力が無くてマイナス影響ばかりまき散らしたり、
アスリートのような能力のある若者に食べていくための仕事が無かったり、
郷土史家と妄想爆裂おやじは紙一重だったり、
まぁ、いずれも地方あるあるですよね。

そういう世界を、うまく描いてるなぁと思い、
地方に住む私の日常も、実は本作の舞台と似たり寄ったりなのかもと思ってしまいました。
この埋蔵金発掘課の密着取材をした涼子のような目線を、
その地に住みながら持っている感覚でしょうかね。

終盤、意外としみじみとした展開になっていきましたが、
たまにはこんな室積作品も良いですね。




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