穂村弘 『もしもし、運命の人ですか。』(角川文庫)、読了。
薄めのエッセイ本だったので気軽に手に取りました。
テーマは恋愛。
著者の自意識過剰な恋愛観が炸裂しています(笑)。
自意識過剰なのに、素直に外に向けて表現できないので
妄想がどんどん深まっていって、がんじがらめになっています。
で、それが苦しくなって一歩踏み出した時に、とんでもない方向に足を出すから
周囲の人にドン引きされるという著者。
私の印象は、こんな感じ(笑)。
心の内のもやもやだったり、ドキドキだったりを、こんなにも上手く言葉に表現するなんて
凄いな、さすが歌人だな・・・・・なんて思いながら読んでいたのですが、
とあるページに「四十四歳の日本人男性である私」というくだりが出てきて、
「えっ!44歳で恋愛に対してこんなことを考えてるの!?」と愕然としてしまいました。
私の中では、この文章を書いている著者のイメージは30代前半でした。
ちょっと婚期を逃してしまったのも、面倒な自分の性格が災いして・・・・という展開で
想像していたのに、まさかの44歳。そして別のページには「妻」も登場。
おいおい、四十路の既婚者でこの恋愛妄想かよ!と
正直なところ、ちょっと引いてしまいました・・・・アハハ、すまないね。
確かに、前に読んだ著者の作品についての自分の感想の中には、
著者を「42歳独身」と書いているので、四十路であることは読んでいたはずなのに、
本作の文章のあまりのバカバカしさに、もっと若い人を想像していました。
この若さの維持が、やっぱり歌人としての才能の秘訣なのか。
それとも、このバカさの維持が、エッセイストとしての人気の秘訣なのか。
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