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『火花』
- 2019/09/15(Sun) -
又吉直樹 『火花』(文藝春秋)、読了。

ブックオフで50円だったの江、今更ですが、読んでみました。
芥川賞受賞当時は、ものすごいフィーバーになっていて、
皆が読んでた印象がありますが、テレビに出ている芸人の日常という、
なんとなく興味があり、しかもなんとなく想像できそうな世界だったのが
普段本を読まない人にも受け入れやすかったのかなと思いました。

最初、硬質な文章にちょっと驚き、
先輩芸人神谷との出会いと、その直後の飲み屋でのくだらない会話の描写で
その緩急のつけ方が面白いなと思いながらも、
真剣な芸人論になってくると、重たさが過剰になり、ちょっと読みにくかったかも。
後半は、それほど気にならなくなったのですが、私が馴れたというより、
文章から堅さが抜けて普通になった?

内村さんという芸人好きの立場からすると、
この作品で、あまりに相方の存在が消えてしまっていることに驚きました。
先輩神谷から受けた影響を描きたいというのはわかるのですが、
それにしても相方不在な日常です。
若手コンビというのはビジネスライクなのかな?
でも、ごくまれに登場してくると、普通の会話の中でもボケとツッコミをやってたりして
仲良さそうな関係が描かれるけど、そこに説得力がなかったです。

一方で、先輩神谷の存在は、吉本興業という組織は、こうやって成り立ってるんだろうなと
想像するには面白いものでした。
吉本興業の社員が芸人を育成するよりも、先輩ぶる人間が後輩を育てていく。
本作では他の事務所の先輩という関係でしたが、同じ事務所内ならなおさら影響が強そうです。

あまり大きな物語の展開が無く、しかも最後は、主人公徳永と言い、先輩神谷と言い、
「え?こんな選択なの??」と拍子抜けした感じがありました。
特に主人公徳永に関しては、相方不在の物語の中で、最後だけ相方にこんな役を振っても
説得力がないように感じました。

本作については、小説としてはあんまり刺さってくるものが無く、
、芸人社会というものを考察した文章として読むと
興味深く感じられたというのが、正直な感想です。
あと、芥川賞を苦手とする私としては、ちゃんと最後まで読めた作品でした。




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