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『死ぬってどういうことですか?』
- 2019/09/11(Wed) -
瀬戸内寂聴、堀江貴文 『死ぬってどういうことですか?』(角川フォレスタ)、読了。

寂聴さんとホリエモンの対談。
4回にわたって対談した内容をまとめたということですが、
タイトル通り死について語っているのは、初回の対談のみ。

ホリエモンの死生観が知りたかったのですが、
寂聴さんにしゃべらせようと、話題の振り役になってる感じで、
ホリエモン自身は断片的にしか話してくれなかったので、ちょっと残念。
大人な対応のホリエモンが見られます(笑)。

対談を重ねるにつれて、ホリエモンもいつもの調子で
バッサリ切り捨てるような発言を見せるようになり、
ホリエモンはこれじゃなくちゃね、って感じです。

世の中の人が抱える漠然とした不安を、結構まともに受け止めてしまう寂聴さんと、
自分の価値判断で「興味ない」とか「起きえない」とか切り捨ててしまうホリエモン。

「安倍政権は戦争をやりたがってる!」と言い張る寂聴さんに対し、
「戦争をやるメリットはないから起きない」と冷静に判断するホリエモン。
寂聴さんは、太平洋戦争前の政治状況と似ていると懸念してますが、
私としては、むしろ、世の中の雰囲気に流されてしまっている世論という点が似ている気がします。

軍備を整えたり、自衛隊員を訓練で鍛えたりというのは、そのまま日本の資産になりますが、
いざ戦争を起こしてしまったら、軍備は消費されるし、自衛隊員も死傷してしまうし、
それで昔のように戦争で国土が広がることもなく、国際的な立場は却って非難を浴びることになり、
日本には戦争を起こすメリットがないと思います。

戦争を起こすことよりも、軍備を整えて、国際社会での発言力を保つことに
政治面だけでなく、経済面などでもメリットがあるのではないでしょうか。


ホリエモンの戦争に対する考察は私には納得できるものでしたが、
寂聴さんのように漠然と不安を感じて「怖い怖い」と騒ぐ人には
ホリエモンのような考察をどれだけ説明しても、あまり効果がないのだなということが
この対談でよくわかりました。
だって、話がかみ合ってないんだもの(爆)。

原発問題にしても、やっぱりかみ合ってない。
理路整然と説明する人と、情緒的に怖いという人の話がかみ合うことって、
どこまで行ってもないんでしょうね。

理路整然と説明してしまうには、どこかでリスクに線引きして
「ここまで発生可能性が低いものについては考慮しない!」と割り切る頭が必要になりますが、
情緒的に「どんなに可能性が小さくても、起きてしまったらどうするんだ!」と詰め寄られたら
もう対話のしようがないですよね。

世の中の諸問題が、解決できないというか、議論が深まらない状況を
象徴的にこの本の中で見た気がしました。




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