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『帰ってきたヒトラー』
- 2019/08/28(Wed) -
『帰ってきたヒトラー』

2014年のベルリンの町に突如現れた自称アドルフ・ヒトラー。
TV局を首になった男と偶然出会い、男は再起をかけて物真似芸人ヒトラーを売り出そうとする。

実はわたくし、ヒトラーとかナチスをネタにしたコメディ、好きなんですよね。
かなりセンシティブなテーマなので、絶妙な匙加減が期待されるところですが、
劇場にかかったりTVで放映されたりするものは、ある程度のフィルターチェックを通っているので
安心して笑えます。

本作では、ヒトラーがTVに出るまでの間は、ちょっと間延びした感じでしたが、
TVの生放送番組で演説を始めた瞬間に、本作を作った意図が明確に感じられました。

EUの一員となったことで、移民問題が噴出しているドイツ。
他の人種を排除しようとする空気がなんとなく社会に漏れ伝わってきており、
ちょっと社会を揺さぶる人が出てきたら、一気に右傾化しそうな感覚があります。

そこに登場したヒトラー。
最初は、物真似芸人扱いでTVに出まくりますが、
次第に、その演説内容に共感する若者が出てきて、組織化していきます。
そのスピードは、YouTube等により、かつてとは比べ物にならない速さで進行します。

このあたりの社会が染まっていく空気、コメディタッチではあるものの、
かなり怖い側面を描いており、興味深く見ました。

そして、ドイツの極右政党の本部を訪れたヒトラーは、
軟弱な党員たちの前で、党首を「思想がない」とメッタ斬り。気持ちよいほど(笑)。
空気に染まって支持するのではなく、自分の頭で考えろと、あくまで正論をぶち込んできます。

トランプ大統領は、今の時代を生きる人ですから、発言は(一応彼なりに)気を付けているように
感じますが、彼は演説が上手いですよね。
話す英語は簡単、明瞭で、日本人の私でも聞き取れるぐらいですから、
アメリカ人の教育を十分に受けられなかった階層の人でも理解できる言葉でしょう。

本作を観て、ヒトラーにドイツ国民が陶酔していった様子を実感するとともに、
トランプ大統領が当選した理由も、肌で感じられたような気がします。

エンディングは、もの悲しさと闇にこぼれる様な怖さが共存しており、
ブツっといきなり作品が終わってしまったので(深夜放送なので尺の関係かもしれませんが)、
余計に不気味な余韻を残していました。




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