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『昭和東京ものがたり 1』
- 2019/06/27(Thu) -
山本七平 『昭和東京ものがたり 1』(日経ビジネス人文庫)、読了。

主に著者の15歳ぐらいまでの東京の様子が描かれています。

家庭は中の上ぐらいの感じでしょうか。
平穏で安定した毎日があり、謹厳な父が居て、優しくも躾はしっかりした母が居て、
近所の友と日々遊び、夏は千葉に避暑に行き・・・・。

大正末期から昭和20年までって、
日本史の教科書だと、第一次世界大戦と第二次世界大戦の話ばかりで、
正直、庶民の生活がどんな時代だったのか全然イメージが付きません。

中島京子さんの『小さいおうち』を読んだ時に感じた
「昭和初期って、こんな時代だったんだ!」という驚きを
本作でも改めて感じました。
こちらは男の子目線。

中の上のおうちですから、男の子でも結構お上品な感じで
その分、たぶん目線も大人な感じが出ていて、
当時の東京の描写が興味深かったです。

そして、山本七平さんの文章が読みやすいです。
短い文章を重ねていくリズム感。
自分がこういう文章を書けないので、憧れます。

そしてご両親は和歌山県新宮市の出身とのこと。
私の住む三重県のお隣なので、親近感がわきます。

終盤、避暑に訪れた千葉県の漁村の様子が結構なページ数で描かれており、
東京のおぼっちゃんが見た千葉の漁村の生活も、これまた興味深かったです。
もし、当時、新宮に行ったことがあるなら、その話も読んでみたいなと思いました。




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