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『真鶴』
- 2019/05/18(Sat) -
川上弘美 『真鶴』(文春文庫)、読了。

真鶴半島というと、私の中では、ダイビングで通った場所です。
リゾートというよりは、講習の場所。
ちょっと地味なイメージがあるので、「真鶴」というタイトルからは、
「そんな場所が小説の舞台になるのか!」と驚きを覚えました。

そんな地味な場所なのに、小説はヒットしていた、という記憶から、
なんとなく私の中では、『真鶴』=川上弘美の代表作という公式が出来上がってました。

で、読んでみたのですが、情念の世界というか、怨念の世界というか、
なんとも濃厚な感情の世界が広がっていました。
正直言うと、私の苦手なジャンル・・・・。

でも、その描写の細やかさから、
「こんな繊細な感覚をもって生きている人おいるんだなぁ」と
なんだか勉強になりました。
私自身は、芯がガサツなので、ちょっとやそっとの周辺の変化は、
たとえ気づいても意図的に無視してしまう気がするんですよね。
でも、主人公は違う。

娘がそっけない態度を取った一瞬の表情を捉え、
それをフォローするような母の言動を捉え、
恋人=不倫相手の些細な振る舞いに神経をとがらせる。

私の感覚では、私の3倍ぐらいの濃さで、
日常生活を感じているのではないかと思われるほどの神経質さ。
そうなりたいわけじゃないけど、ここまで濃い描写を読んでしまうと、
自分自身、いろんなことを気付かずに捨ててしまっているような喪失感を覚えます。

ストーリー自体は、ガサツな私からすると
「はっきりせい!」と喝を入れたくなってしまうほどウジウジしている印象を持ってしまいますが、
女(霊?)が付いてきちゃう(憑いてきちゃう?)なら、
こんな風にウジウジ考えた末に、女(霊?)と対話しちゃったり出かけちゃったり
しちゃうんでしょうかね・・・・・・いや、やっぱり、それは壊れてるな。

世界観を堪能するまではいかなかったですが、
こんな世界もあるのね・・・・と思える程度には濃い作品でした。




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