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『カイシャデイズ』
- 2019/03/19(Tue) -
山本幸久 『カイシャデイズ』(文春文庫)、読了。

弱小内装施工業者「ココスペース」を舞台にしたお仕事小説。
この会社に勤務する従業員たちの目を通して、
日々の仕事を描いた連作小説です。

冒頭、営業チーフの高柳の仕事ぶりを描いた話では、
社内での業績報告の捏造とか、
そもそも遅くまで飲み明かして会議資料を当日の朝に作っているとか、
「こんな仕事ぶりで大丈夫なのか???」と思ってしまう出だしでしたが、
しかし、2つ目のエピソードで主人公の視点が変わると、
その人物から見た高柳の仕事ぶりが、テキトーだけど最後は何とかしてくれるという
ある意味、営業の鑑みたいな感じで、ものすごくデキる人材に見えてきました。

そして、高柳だけでなく、フーゾク大好きな施工管理の篠崎とか
我が儘ばっかりのデザイナー隈元など、一見問題児のように見えて、
その実は、自分の仕事にプライドを持って真剣に取り組んでいる姿が見えて、
「この会社、素敵だな、チームワーク素晴らしいな」と思えてきます。

そう、山本幸久氏のお仕事小説って、
基本的に明るくて、ものすごく前向きな気持ちになれるんですよね。
解説で「悪人が出てこない」と表現されていますが、
そういうネガティブ要素がないということだけでなく、基本的に根底からポジティブなんですよね。
読んでいて力をもらえる活力があります。

仕事って、良いことばかりではないし、
前向きであれば全てが上手くいくわけでもないですが、
でも、ポジティブシンキングって、すごく大事な要素だと思います。
仕事を成功させるためにも、気持ちよく毎日を過ごすためにも。

山本作品は、言ってしまえばお仕事小説のファンタジーかもしれないけど、
でも、「こういう職場って素敵だな」「こんなチームで仕事に向き合いたいな」と
前向きなパワーをもたらしてくれる作品が多いように思います。

私自身、「最近、働き過ぎで疲れてるな・・・・・」と感じてましたが、
この作品を読んで、「暇で詰まらない日々よりも、忙しくても充実した日々を送りたいな」と
気持ちを持ち直すことができました。
ヒーリング効果というか、リフレッシュ効果がある作品を書く作家さんだなと思います。

また疲れた時に読んでパワー注入しよう!




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