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『ヘヴン』
- 2019/03/16(Sat) -
川上未映子 『ヘヴン』(講談社文庫)、読了。

お初の作家さんです。
「いじめ」がテーマの作品ということで、私の興味のある分野だったのでチャレンジしてみましたが、
リアリティを感じられず、最後まで傍観者みたいな立場で読み終えてしまいました。

中学校におけるいじめの様子を描いていますが、
まず、いじめっこ側の行動が何とも理解できず。
一言でいうと、「そこまでやるか?」という感じです。
もちろん、こういう陰惨ないじめが存在するということは理解していますが、
本作でのいじめの首謀者である二ノ宮のキャラクターといじめの内容が、合ってないような印象です。
百瀬のようなキャラも、いじめとは距離を置くのではないかと思ってしまいます。
彼にとって、いじめの現場に居合わせるメリットがないような。

そして、いじめられる側の僕とコジマ。
彼らの、いじめに対する自己認識が、なんだか現実味がないフワフワした印象です。
僕はひたすらいじめられている状況から目をそらし、
反対に、コジマは積極的に意義を求めるかの如く「しるし」に拘ります。

どちらにも共感できる要素がなく、
結局、自分に一番刺さってきたのは、終盤に百瀬が僕に対して投げつけた言葉たち。
百瀬に共感してしまうのは、いじめられた経験がなく、いじめる側に巻き込まれた経験のない私の、
いじめ問題で言う勝ち組的な目線で眺めてしまっているからだと反省するのですが、
でも、百瀬が一番、私にとってはリアリティがある人物でした。
それぐらい、全体的にリアリティが感じられない作品でした。

「ロンパリ」という言葉も、知識としては知ってますが、口に出されたのを聞いたことがありません。
今の中学生が知ってるのかな?と疑問に思います。

他にも、作品中に先生の存在感が全くないし、
僕と僕の家族の距離感もなんだか場面によって都合よく構成されているし、
コジマとその家族の関係も曖昧な感じです。

特に私は、コジマの哲学が理解できなかったので、
たぶん、この作品で伝えたいことは何一つ理解できなかったのではないかと思います。

私は、コジマが僕に対して課した重しは、自分勝手で酷いと思ってしまいました。




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