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『夜の国のクーパー』
- 2019/03/13(Wed) -
伊坂幸太郎 『夜の国のクーパー』(創元推理文庫)、読了。

私があまり得意ではない第2期の作品ですが、
意外と面白く読めました。

戦争という陰惨なテーマを扱っていますが、
物語をクールな猫の視点で語っていくので、軽いタッチで読めてしまったのかもしれません。

しかし、描かれている内容は、裏切りや嘘、身代わり、格差というようなもので、
かなりしんどい事象がたくさん出てきます。

これを読んでいて思ったのは、
「知らない」ということが、どれだけその社会の持つ世界の広がりを制限してしまうのかということ。
例えば、北朝鮮の一般国民にとって、自分が住む世界の外の世界に対する認識って
本作で描かれたような感じなのかなと思ってしまいます。
本作に登場する国民は「馬」を知りませんでしたが、
北朝鮮国民は「キリン」を知っているのだろうか?とか。

冒頭シーンで、猫が人間に話しかけてきたり、
杉の木からクーパーという怪物が生まれるという伝説が語られたり、
クーパー退治に出かけた戦士たちは体が透明になってしまうという顛末など
ファンタジー満載な展開で、最初は置いてきぼり感を覚えたのですが、
猫の件は別として、クーパーに関する物語は、どうも伝聞情報ばっかりで信憑性がイマイチだな
と思い始めてからは、真相が気になって、一気に面白くなってきた感じです。

自分の目が見て頭が考えている世界は、どれだけ狭いのだろうかと
自分自身の視野について考えさせられるお話でした。




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