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『オイアウエ漂流記』
- 2019/03/14(Thu) -
荻原浩 『オイアウエ漂流記』(新潮文庫)、読了。

アハハと笑えるユーモア小説を・・・・と思って本作を手に取ったのですが、
ボリュームの割に内容が薄くて、面白くなかったです。

トンガ方面の単距離移動に使用した小型飛行機がトラブルで海面に不時着。
乗っていたのは日本のリゾート開発会社の社員と取引先のドラ息子、
そして新婚旅行の日本人夫婦と慰霊の旅に出た日本人おじいちゃんと孫、
1人だけ西洋人が混じってますが、ほぼほぼ日本人のグループです。

そんな団体が海に投げ出され、無人島に漂着しますが、
南国のテキトーな救助活動のせいか、何日も発見されずにサバイバルしていくことに。

基本的には、無人島でのサバイバルの過程を面白おかしく描いて、
サバイバルテクニックの披露と、グループ内での人間関係の衝突と和解が
ストーリーの大半を占めるのですが・・・・・・・とにかく長い!
そして、長いわりに話が進まず、同じところをずっとグルグルしているような感覚になります。

そもそも、南国のテキトーな救助が当てにならなければ、
ドラ息子の資産家家族が自費で捜索活動を行うんじゃないの?という疑問もあり、
これだけ長時間、見つからずに放置されるという展開が、あまりに非現実的。

そして、肝心のグループ内のやりとりについても、
リゾート開発会社の部長をはじめ、非常識の塊のような人間がゴロゴロしていて、
前半で読者のイライラを募らせておいて、後半で勧善懲悪でスカッとさせるという
著者が良く使う手法だと分かっていても、「こんなバカは居ないよ」と思ってしまい
正直なところ、作品から引いてしまいました。
著者のワンパターンさにも飽きが来ちゃったかな。

結局、最後、どんな風に物語が締まるのだろうか?という、
その一点のみの興味で読み続けましたが、
最後10ページ近くなっても状況に大きな変化がなく、
??????と思っていたら、唐突なエンディングでした。

えーっ、みたいな終わり方で、モヤモヤが残りました。




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