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『ロスジェネの逆襲』
- 2019/01/13(Sun) -
池井戸潤 『ロスジェネの逆襲』(ダイヤモンド社)、読了。

近所のおばちゃんが貸してくれました。
独立した本だと思って読み始めたら、半沢シリーズの第3弾でした。

冒頭、半沢が銀行子会社の証券会社の部長という肩書になっており、
「あらら、出向させられたんだっけ?」と第2弾の結末を辿るも記憶を辿るも手応えなし(苦笑)。

さて、今回の舞台は、IT企業を巡る買収騒動。
前半は、ライブドアのニッポン放送に対する敵対的買収事件を下敷きにしている感じで、
やや既視感を覚えながらの読書となりました。
ライブドアのおかげで「ホワイトナイト」とかの用語を知っていたので
すんなり読めたというか、買収事案の醍醐味いたいなものを味わえました。
そして、半沢が一体どんな形で「倍返し」するのだろうかとワクワク。

親会社の銀行と子会社の関係って、難しいんですよね。
私も、昔、メガバンクの子会社に居ました。
銀行からやってくる役員や部長といった人々はプライドが高く、
「監視しに来ている」という雰囲気がちらついてました。変なことするなよと。
森山たちプロパー社員の目で語られる銀行出向者へのいら立ちは、良く表現できているなと思います。

ただ、半沢の行動は暴走以外の何物でもありません。
というか、ちょっとリアリティに欠けるかなと。
半沢が銀行に反旗を翻した段階で「利益相反だ」という反論は銀行側から出てますが
そういう会社法上の問題の前に、そもそもグループ会社として銀行の統括力の問題ですよね。
銀行の子会社管理は、本作で描かれたほど緩いものではありません。
実際、私は子会社の経営企画部員として親会社の銀行に協議書や報告書を
それこそ毎日のように上げていました。
銀行から個々に求められるものもあれば、協議・報告ルールに従って自らあげるものも。
そして、そんな紙のやり取りだけではなく、銀行出向者がしょっちゅう銀行に報告に赴いてましたし
ちょっと問題が起こると銀行から呼び出しがかかってました。
本作の半沢のように、自由奔放にはとても動けませんよ。

というわけで、リアリティはないなと思いつつ、
ただただ、半沢がこの状況をどうやって打開していくのか、それだけを楽しみに読みました。

結果的には、半沢がウルトラCを繰り出したというよりは
敵失に付け込んだ感じが強かったですが、でも、取締役会でのやりとりはスカッとしましたね。

自分も、担当スタッフとして取締役会で議事録作成の書記役で毎回出てましたが、
こんな劇的な取締役会、1回直面してみたかったですわ。
でも、議事録書くのはめちゃ大変そう(爆)。

この本で印書に残ったセリフは、有名IT企業を去った財務担当部長のもの。

仕事の質は人生そのものの質に直結する

そう、仕事は待遇・処遇だけでは測れない価値がありますよね。
脱サラした私にとっては、すごく共感できるセリフでした。
でも、サラリーマン時代の日々も、大きな仕事をさせてもらえて、それはそれで充実してましたけどね。




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