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『ハロー・ワールド』
- 2018/12/25(Tue) -
藤井太洋 『ハロー・ワールド』(講談社)、読了。

父が読んでいた本。
「ずいぶん、若々しい装丁の本を読んでいるなぁ」と気になり、
私も読んでみました。

主人公はITエンジニア。
広告ブロックアプリを余暇で作ったり、ドローンを販売したり、仮想通貨を作ったり。
「父よ、68歳にして、なんて”今”な本を読んでるんだ!」と驚いてしまいました(苦笑)。

ITエンジニアが、余暇で広告ブロックアプリを作っている話から始まりましたが、
あぁ、最先端の会社で働くITエンジニアって、こういう生活を送ってるんだ・・・・・と
ある種、社会勉強になりました。
例えば、GoogleとかAppleとかの本社の職場空間の様子とか、
それぞれの会社の例えば「20%ルール」のような慣習とかはいろんなメディアで伝えられますが、
実は、そこで働く1人1人の従業員の生活って、よく知らなかったなと思いました。

私も、仕事で、Appleとの方々と向き合ってた時期がありましたが、
自分が居た打合せの空間以外の場で、Appleの人たちがどんな仕事ぶりなのか
全く想像がつきませんでした。

で、本作では、そういう部分が主人公の生活として描かれていて、
「あぁ、世界はこうやって作られていくんだな」と感じました。
広告ブロックアプリという小さな世界であっても、そこに一つの価値をもった世界が生まれてると
そんな風に感じられた小説でした。

そして、最初は、連作短編集のような構成でしたが、
後半、小説の舞台が今現在の時間を超えて未来に入ったあたりから
主人公が国家権力と対峙するような大きな話が動き出し、
もうそこからは、読む手が止められませんでした。

主人公は、自身のことを「中途半端なエンジニア」と自虐していますが、
プログラミングの技術は一流じゃなくても、この人は、「世界観を作る能力」が突出していて、
「こういう理念があるべきだ」「こんな無駄は不要だ」と判断する能力が素晴らしいなと。
それを現実のものとするプログラミングは、誰かにやらせればよいわけで、
「どんな世界観をもったプログラムを作るか」という概念をまとめられる人物が、
今後の世界を作っていくのではないかと思いました。

最後に登場した「两」という仮想通貨。
もし、この仮想通貨が現実世界に登場したら、世界はどう反応するんだろうかと
興味津々でした。

先日読んだ「プロジェクトX」の世界観とは異なる興奮が、この本には広がってますね。




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