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『最果てアーケード』
- 2018/12/16(Sun) -
小川洋子 『最果てアーケード』(講談社文庫)、読了。

安心の小川洋子クオリティ。

世界で一番小さなアーケード、
何かの拍子にできた世界の窪みのような、ひっそりとした商店街。
その商店街の大家の娘の視点から、商店主や常連客の姿を描いていく連作短編集。

私自身がアーケード街の中にあるお店舗兼住居で生まれ育ったので、
アーケードが舞台というだけで心惹かれます。
しかも、小川洋子作品であれば、きっと不思議なテイストが加えられ、
斬新な仕上がりになっているんだろうなぁと期待膨らみまくりで読みました。

結果、期待の上を行く面白さ!
さすが、小川洋子さん。

使い古しのレース専門店、義眼屋、ドアノブ専門店、
こんな店が隣り合って並んでたら、さぞ不気味でしょうね(苦笑)。
1軒だけでも異様な存在感だと思います。

そんなヘンテコな店々が集う商店街の大家は、火災で亡くなり、今は娘ひとり。
この娘はどうやって生計を立てているんだろうかと
普通なら疑問が湧いてくるだろうに、この商店街なら、こんな生活もあり得そうと思えてしまう
そんな小川ワールドが広がっています。

一見、どのお話もファンタジーテイストなのですが、
冷静になって読んでいくと、そんなマニアックな店を真面目にやってる店主も異様なら、
そんな店にせっせと通い続ける常連客も異様なわけで、
ちょっと狂気の香りが漂ってくる感じです。
そこがまた小川ワールド。

死の影も、結構どの話も色濃く感じられて、
正直なところ、あまり幸せそうに感じられないアーケード街。
そんなところも含めて、「最果て」なんでしょうね。




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