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『水声』
- 2018/10/19(Fri) -
川上弘美 『水声』(文春文庫)、読了。

なんとなくBookOffで手に取って、そのまま買ってきた本。
タイトルの「水声」。
「みずごえ」かと思いきや「すいせい」。
そして、造語かと思いきや、ちゃんと変換されました。
日本語、奥が深い・・・・・。

さて、物語は、私と弟が中心。
1969年に私は11歳。
今は、結構、良いお歳になっています。
なのに弟と実家で2人暮らし。
何となく不穏な感じが。

自分たちの子供の頃を振り返っていきますが、
母のキャラクターが秀逸。
素晴らしい母という意味ではなく、不気味な母という意味で。
1歳だった頃の自分の娘について振り返った時に
「柔らかで突けばすぐに死んじゃいそうだった」と本人に向けて描写する母。
悪意のない残酷さが不気味です。

そして、そんな母のもとで育った兄弟。
40代になり2人で実家に戻って一緒に暮らすようになり、
なぜか同じ寝室で布団を並べる2人。
夜中にふと目を覚まし、隣にで眠る弟を眺める姉、触れる姉。
不気味です。

そして、そんな不気味さの正体が、
この家族の真相として現れてくるとき、不気味さの理由が腑に落ちてしまう分、
さらにリアリティを増して気持ち悪さを感じてしまいます。

相変わらず、川上作品は居心地が悪い。
でも、それをきちんと描いて世界観をモノにしている著者は凄い。




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