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『ふわり太平洋』
- 2018/10/18(Thu) -
赤座憲久 『ふわり太平洋』(小峰書店)、読了。

実家で読むものがなくなり、祖父の本棚から拝借。

太平洋を風船で横断してアメリカに行くという話から始まったので
そういう冒険のお話かと思いきや
そこから一気に戦時中に時代は飛んで、風船爆弾の話になりました。

太平洋戦争のことを考えよう、戦争に関わらざるを得なかった国民1人1人のことを考えよう
という趣旨の社会派の作品でした。

通っていた学校が、風船爆弾の製造工場に代わり、
そこに動員された女生徒たち。
風船を切って貼ってしていく工程なので、兵器製造の物々しさは感じられないですが、
しかし、やはり、人の命を奪おうという意思のあるものを作っていることに変わりはなく、
こうやって、少年少女が戦争へと駆り出されていったのだなという実情が
素直に伝わってきました。

私自身は、極論をすると、戦争は一つの外交手段だから
どれだけ平和を望む声が上がっても、この選択肢が世の中から消えてなくなることは
ないだろうなぁと考えています。
(武力衝突ではなく、武力誇示による対立や冷戦といった形式が多くなるのかもしれませんが)

が、職業軍人が武器を持って向き合うことと、一般国民が巻き込まれることはやはり別のことであり、
一般国民が犠牲になったり、兵器製造に強制的に動員されるような事態は
少なくとも日本においては回避できるように最善の努力を尽くすべきだと思います。

こうやって、自分の意志とは関係なく、兵器製造に動員されていく少年少女の姿を見ると、
太平洋戦争というのは、日本にとって過ちだったと思わざるを得ません。

本作では、戦争の時代の話から、再び現代に戻ってきて、
アメリカの少年との交流を描いて締めくくられます。
こういう1人1人の結びつき、交流が、無駄な戦争をなくす最も有効な方法ではないかと思います。




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