FC2ブログ
『かわいそうだね?』
- 2018/10/11(Thu) -
綿矢りさ 『かわいそうだね?』(文春文庫)、読了。

綿矢さんって、洞察力が高い女子を描いたら、上手いですよね~。
というか、その視点で語られる世界の見え方が、非常に興味深いです。

表題作「かわいそうだね?」は、恋人の部屋に元カノが住み着いてしまうという
良く分からない設定で話が進んでいきます。
その状況に戸惑う主人公や、対話にて解決しようとする姿勢は面白く読みましたが、
そもそも、こんな女を部屋に住まわせてしまう男って、どこが魅力的なの?と思ってしまったら
主人公がただ空回っているだけのように思えて、後半は醒めてしまいました。
特に、元カノがどんな人なのか描写が具体的になってくるあたりから。

彼氏の発想も理解できないし、それを受け入れてしまう主人公の考え方も理解できません。
唯一理解できたのは、元カノの本能の赴くままに行動する姿勢(苦笑)。動物的。

なので、設定は面白そうだったのに、話の展開に説得力がなく、
あまり好きではありませんでした。

むしろ、併録された「亜美ちゃんは美人」が非常に面白かったです。
高校の入学式で、前後に並んでいたという理由で友達になった主人公と亜美ちゃん。
亜美ちゃんは超絶美人。
分かれてもすぐに彼氏ができるモテモテぶり。
でも、天然さんなのか、天狗にならず、意外と女子ウケもよいという超人。

そんな亜美ちゃんがべったり頼る相手が主人公。
地味だけど頭が良く、機転が利き、気も配れる。
亜美ちゃんの引き立て役のように見えて、実は亜美ちゃんは主人公の真似をしているだけ。
それに気づいている主人公。
このあたりが、女性の嫌らしさみたいなものを感じさせてくれて、興味深いです。

序盤で、亜美ちゃんのことを「嫌いだった」と振り返る主人公。
どこで、主人公と亜美ちゃんの関係性が変化するのかとハラハラかつ期待しながら
読み進めていきましたが、決定的なシーンは訪れず、
むしろ亜美ちゃんが自分から、2人の輪からドロップアウトしていってしまった感じ。
そこは物足りなかったかな。

でも、主人公の目を通した、亜美ちゃんとその周辺の人間関係の観察と洞察は
読みごたえがありました。




にほんブログ村 本ブログへ

関連記事
この記事のURL |  綿矢りさ | CM(0) | TB(0) | ▲ top
<<『世論という悪夢』 | メイン | 『大阪維新で日本は変わる!?』>>
コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する


▲ top
トラックバック
トラックバックURL
→http://seagullgroup.blog18.fc2.com/tb.php/5708-fdda4bff
| メイン |