『陽気なギャングの日常と襲撃』
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- 2018/10/09(Tue) -
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伊坂幸太郎 『陽気なギャングの日常と襲撃』(祥伝社文庫)、読了。
『陽気なギャングが地球を回す』の続編。 前作を読んだのがかなり前だったので、ギャング団の面々のことを忘れてしまっており、 最初、短編が続くので、「どの人がギャングなんだっけ?」と想像しながらの読書に。 で、各短編で、それっぽい人物(苦笑)が脇役で登場してくるものの、 アクションシーンで活躍するわけではなく どちらかというと安楽椅子探偵的な活躍だったので、 「あれ、こんな静的なキャラクターだっけ?」と思ってしまいました。 が、そこは伊坂作品。 前半は4つの短編でしたが、 中盤に4人のギャングが集結し、再び銀行強盗。 そして、そこで新たな事件が勃発! そして、物語の視点は、ギャング団4人のそれぞれに移り、 まさにギャングが物語を動かしていく流れになります。 こりゃまた、複雑な構成にしたのね・・・・と思っていたら、 あとがきによると、最初は短編8つで終わらせる予定だったらしいです。 しかし、4つ書いたところで、1つの物語に収斂させようと構想が変わり、 そこから、この構成に持ち込んだのだとか。 当初の短編4つを手直ししたとは言え、 1つにまとめてしまうのは、相当な力技! 実行できてしまうのは、さすが伊坂幸太郎ですね。 でも、やっぱり脇役で華を添えるギャングよりも、 自分たちが世界を回しているギャング達の方が、読んでいてスカッとします。 それでこそ、響野のおしゃべりや、成瀬の冷徹さや、雪子のドライビングテクニックや 久遠のスリの技術が活きてくるというものです。 さらに続編もあるようなので、楽しみです。 ![]()
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