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『バケモノの子』
- 2018/09/10(Mon) -
『バケモノの子』

両親が離婚し、母に引き取られたものの、その母は交通事故死。
祖父母に引き取られるのを拒否した少年は、渋谷の街を逃げ回り、
気が付くと知らない世界へと辿り着いていた・・・・・バケモノの世界へと。

バケモノの世界で一匹狼的暮らしをしている熊徹に拾われ、
生意気に反発しながらも、弟子入りして成長していきます。
その年数、なんと9年!

「ちっちゃい子供がホームシックにもならずバケモノのもとで8年も過ごせるのか・・・・」と
その急展開ぶりに驚きましたが、なんだかんだで似た者同士のバケモノと息子。
互いに成長していく様子は、見ていて微笑ましかったです。
正直、最初は、主人公のこまっしゃくれた性格が苦手だったので(苦笑)。

ところが、ふとした拍子に少年は人間世界に戻ってしまい、
そこから、バケモノの世界と人間世界を行き来することになります。
このあたりから、私の感想としては???になってきました。
そんな設定にする必要あるの!?的な疑問です。

バケモノの世界では、世界を治める宗師の後継者を決める対決の話でもちきりですが、
バケモノの世界の中だけで話を進めた方が見やすかったのではないかと思えました。
人間世界と行き来することで、図書館で書物への興味が開いたり、楓と出会ったり、
いろんな展開が広がったのですが、正直、広げ過ぎじゃない?という感じで、
どの展開も脈略が希薄で、唐突感があるんですよね。
なんで図書館に行ったのか、なんで大学受験をするのか、なんでクジラに興味を持つのか、
良く分かりませんでした。

そして、肝心の対決の日。
逆境を跳ね返した熊徹に追い込まれる猪王山。
そこで急に、猪王山の息子がご乱心。
ここも、なんで、こんな負の感情を熊徹に対して蓄積しているのか分かりかねる展開。
しかも、その感情の爆発のさせ方が、同情の余地なしな展開。

ご乱心のまま人間世界に逃げ込んだ猪王山の息子と主人公が対決することになりますが、
こんなことのために、主人公は修行を積んできたのか?とこれまた疑問。

人間の心には、みな闇を抱えている、それはその通りだと思いますが、
それを力で制圧しても、何の意味もないのではないでしょうか?
いろんな問題提起をしようとしている作品だと思いますが、
その提起に対する回答が、どれもしっくりこない内容でした。

良いなと思ったのは、人間の心の闇の表現の仕方。
抽象的な映像美で多面的に闇の姿を表現していましたが、
それは、どれもユニークな見せ方だったように思えました。


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