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『哀しみの女』
- 2018/09/04(Tue) -
五木寛之 『哀しみの女』(新潮社)、読了。

何かの書評で本作を知ったのだと思いますが、
「読みたい本リスト」にずっと載っかったままだったので、
ブックオフオンラインで取り寄せてみました。

まず目に飛び込んできたのは、表紙の女性。
黒い服に、黒い帽子、そして意志の強そうな眼差し。
本文を読み始めたら、これはエゴン・シーレという画家の作品であり、
この画家とモデルの女の関係が、本作の同棲相手と主人公の関係に照射されているというもの。

ある意味、画家とモデルの女の関係は、歴史上の事実として語られているので、
それに沿って現実世界の男と女の関係も進んでいくんだろうなと分かっているのに、
ぐいぐい読ませてくれる展開に、一気読みでした。

それはきっと、主人公の女性の、冷静さというか、自分自身を突き放している感じというか、
彼女自身が、エゴン・シーレという画家を知ったことから、
自分自身の恋愛の状態に客観的な目を持ちえたことによる視点の変化みたいなものが
あったのではないかと思います。

同棲相手に新しい女ができても、動揺することなく、同棲相手とも女とも向き合えたのは、
彼女自身の中に、この絵の女のような射るような眼差しを得たからなのかなと思いました。

あまり自分では手に取らないジャンルの恋愛小説でしたが、
これは大当たり、面白かったです。
五木寛之って、こんな作品も書くんだなと、びっくりしました。

ところで、この絵の黒ずくめの女の後ろにいるピエロみたいな男。
本作中でも特に触れられていなかった、この男は、一体何者!?


哀しみの女哀しみの女
五木 寛之

新潮社 1986-11
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