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『ニュースに騙されるな』
- 2018/08/24(Fri) -
椎名健次郎 『ニュースに騙されるな』(宝島社新書)、読了。

元テレビ報道マンがネット企業に転職し、
新たに獲得した視点からテレビ・新聞の報道現場について語った本。

最近、記者クラブ制度の歪みについて詳しく書いた上杉隆氏の本を読んだばかりだったので、
テレビや新聞の現場についてのレポートは、
ちょっと表面的な感じというか、上杉氏の著述に比べて下世話感が強い感じがしました。

一転、後半のYahooニュースに代表されるネットメディアのニュースの扱い方についての話は
非常に興味深く読みました。
新聞は有料、でも新聞社の記事はYahooニュースで無料で読める。
なんで???

ネット企業側の、「自分でニュースは作らない」という明確な姿勢が面白かったです。
新聞社が書く記事の内容や、テレビ局が作るニュース動画の内容に
一切口を挟まずに、そのまま掲載するネット企業。
誤字があっても、訂正依頼さえせず、そのまま掲載。

そこには、ニュース制作自体は金を生まないからタッチしないという経営思想があるのだとか。
確かに、ネットニュースが便利なのは、内容の正確性が増したからとかではなく、
いつでもどこでもニュースがサクッと読めるという、手軽さに重きがあるからですよね。
もし、ニュースの正確性を追求して掲載までに要する時間が長くなったり、
特ダネ性を求めて掲載される記事の本数が減ったりしたら
一気に価値がなくなると思います。

一見、似たような情報が羅列しているだけのニュースサイトであっても、
読む側に情報検索能力と情報整理能力があったら、
どんどん自分で価値ある情報を見つけて、統合して、理解していくことができるので、
情報の宝の山だと感じます。
一方的に編集されて、情報が整理されてしまっている新聞やテレビには無い魅力です。

今の大マスコミ、特にテレビは、視聴者の知能を低く見積もって、
ニュースの内容を表面的な情報で終わらせたり、喜怒哀楽に訴える演出を加えたり、
自らニュースの本質を見えなくさせるような報道の仕方をしているように思えます。
そうなると、自分で考えたい視聴者は、どんどんテレビを離れ、ネットの方に寄って行ってしまうと思います。
自分で考えるつもりのない視聴者ばかりが残るので、さらに演出は甘くなり・・・・・の悪循環。

マスコミも、経営危機を味わって、
報道とは何をすべきなのかを、もう一度見直すべき時期に来ていると思います。
その引導を渡す役割をネット企業がするのか、視聴者がするのかは分かりませんが、
どこか名の通った1社が潰れるか、身売りされるか、そんな瞬間が来るのではないでしょうか。

そんな時代においては、視聴者、読者、ユーザー側も、
自らの情報収集力、探査力、整理力、統合力を高めていく努力をしなければなりませんね。


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椎名 健次郎

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