fc2ブログ
『ラブコメ今昔』
- 2018/08/11(Sat) -
有川浩 『ラブコメ今昔』(角川文庫)、読了。

自衛隊における恋愛関係を描いたシリーズもの第2弾。

自衛隊という職場環境の珍しさに対する興味もありますが、
やっぱり、軸となるのは、自衛隊員の肝の座り方の部分ですよね。
自分の職責というものに対する責任感と誇りが半端ないです。
恋愛という、職責とは直接関係のないフィルターを通すことで
より一層、職責の部分がクローズアップされるという面白さ。

そして、自衛官としての気概みたいなものが端的に表現されていたのが、
自衛隊が撮影協力したTVドラマの現場を描いた「広報官、走る! 」です。
テレビマンが脚色して、お涙頂戴ものに仕上げようとした筋書きに対して、
自衛官や、自衛隊をよく知る原作者がぶった斬るという展開。
テレビって、ほんと低レベルなメディアだよなぁ・・・・・・と苦笑いしながらも、
分かる人は、ちゃんと分かってますよ!と言いたくなる結末。

自衛隊を舞台にした作品って、登場人物たちの国や国民を思う熱さが土台にあり、
そこに鍛錬された組織力や、隊員仲間を思う気持ちがあったりで、
日本人の良さや強さみたいなところが、端的に表れている集団な気がします。
それを読んでいると、気持ち良いんですよね。
清々しいというか。

本作では、そこに恋愛要素がのっかってくるので、
ちょっと、くすぐったいところはありますが
でも、根が真面目な自衛官さんが主人公だから、こちらも真面目に読めちゃいます。

こういう人たちが、国を守ってくれてるんだなという、
どこまでも純粋な安心感が得られる作品だと思います。
登場してくる自衛官さん達が、自分の家族や恋人のことを思う気持ちと
同じ方向に、国民を思う気持ちがあるんじゃないのかなと思える安心感です。


ラブコメ今昔 (角川文庫)ラブコメ今昔 (角川文庫)
有川 浩 徒花 スクモ

角川書店(角川グループパブリッシング) 2012-06-22
売り上げランキング : 51233

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


にほんブログ村 本ブログへ

関連記事
この記事のURL |  有川浩 | CM(0) | TB(0) | ▲ top
<<『庚申信仰』 | メイン | 『がっかり行進曲』>>
コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する


▲ top
トラックバック
トラックバックURL
→http://seagullgroup.blog18.fc2.com/tb.php/5651-b2febe29
| メイン |