『がっかり行進曲』
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- 2018/08/10(Fri) -
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中島たい子 『がっかり行進曲』(ちくまプリマー新書)、読了。
新書で小説を出す意味って何があるんでしょうかね。 というか、文庫になる小説と新書になる小説の違いって何? と、いつもの疑問が湧きましたが、 プリマー新書という初歩的新書の位置づけからして、 学生ものが多いのでしょうかね? というわけで、本作は、小学校時代から始まります。 喘息もちでしばしば学校を休んでいる主人公。 近所に住む男の子・光樹くんがプリントとか持ってきてくれますが、 ちょっと変わり者でクラスで浮いている子。 あるいは、いじめられっ子。 クラスから若干引いている主人公が良く話すのは、 図書館にこもってる女の子。 個人的に、この岩崎さんという泰然とした女の子、好きでした。 光樹くんに対する、クラスの男の子たちのいじめ(男の子たちは遊びと思ってるかも)が 主人公の目を通して、つまりは主人公が学校に行っている間に見たり、 休んだ後に復帰してから聞いたりしたことの範囲で描かれています。 これがちょっと自分的には中途半端に思えてしまいました。 光樹へのいじめを気にしつつも、あまり行動がとれない(もしくは取らない)主人公、 そうこうしているうちに主人公の気持ちは両親へ向かったり、先生に向かったり。 物語の軸がつかみにくかったです。 いじめの話なのか、家族の話なのか。 主人公の成長譚として読むべきなのでしょうけれど、 いろんな要素が中途半端になってしまっているようなモヤモヤ感がありました。 その後、中学、高校と進学していくにつれ、 主人公がだんだん強くというか、はねた女の子に成長していって、ちょっと意外でした。 もっと内向的になっていくか、もしくは純粋なところを不安定に残していくのかなと 思っていたので、アグレッシブさに驚きました。 このあたりの予想が当たらないのも、私の読みが浅いのかな。
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