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『少女』
- 2018/07/29(Sun) -
湊かなえ 『少女』(双葉文庫)、読了。

いつも一緒にいる女子高生2人。
親友と思われており、自分たちも相手を一番仲が良い友達だと思っているけど、
心の中にわだかまりも持っており、お互いに言えない言いたいことが募ってます。

このあたりの描き方がうまいなぁと。
特に私は由紀の突き抜けた冷たさが好みでした。
親友が、周囲に合わせることで自分を保とうとしていることを見抜き、
映画を見てウソ泣きしていることや嫌な人にも波風立てない言い方しかできないことを
見抜きながら、言わない。
この冷たさ。

そんな冷たさを親友の敦子も認識しており、
「由紀だったらここは突き放すのかな」なんて風に思いつつも、
そんな由紀のようには振舞えない自分も理解しており、
自分の意気地なさに落ち込んだりしてます。

この2人それぞれの目から眺める世界の切り取り方が面白くて
ぐいぐい読ませてくれます。

由紀は家庭の事情で剣道を辞めざるを得なくなり勉強に走った子。
敦子は試合での失敗がトラウマになり剣道から身を引いた剣道日本一。
2人とも剣道がらみで挫折してるんですよね。
腕の違いはあるにしても、毎日やってきたことから離えざるを得なくなる状況、
その不安定な心の時に、お互いがお互いのちょっとした言動に反応し、思い込み、
それが心の重しになってしまったという設定。
うまいですねー。

夏休み、由紀は小児病棟へ読み聞かせのボランティアに行き、
敦子はグループホームに体育の補習として参加する。
参加した表の動機は違うけど、裏の本音の動機は「死が見たい」というもの。
このあたりは、ちょっと心理が行動に直結しすぎててグロテスクに感じましたが、
湊かなえならアリかな・・・・という変な納得感。

誰かが目の前で死ぬわけではないのに、
「死」というモチーフがずっとベッタリついてまわる不気味さ。

なのに、エンディングは、2人のもやもやが解消される清々しさ。
湊作品でこんな読後感になるものもあるのかと、逆にびっくり。

・・・・・と思ってたら、最後の最後に、そう来るか~という関係性が暴露され、
やっぱり、湊かなえは、グロい!いやミスの女王ですね。


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湊 かなえ

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