『新聞・テレビはなぜ平気で「ウソ」をつくのか』
| ||
- 2018/08/02(Thu) -
| ||
上杉隆 『新聞・テレビはなぜ平気で「ウソ」をつくのか』(PHP新書)、読了。
新書をドカ買いしてきた中の一冊。 主に、日本の記者クラブ制度について解説し、 日本の新聞やテレビがどのように政治の取材をしているのか、 また、記者クラブに加盟していない立場のジャーナリストが どのような扱われ方をされているのかを示しています。 いろんな本で、ジャーナリストたちが、日本の記者クラブ制度のおかしさについて述べてますが、 ここまで具体的に述べている本は初めて読みました。 特に、記者たちが作って融通し合う「聞き打ち」「書き起こし」といわれるメモについて その具体的な事例を挙げながら解説されており、興味深かったです。 ある種、マスコミ各社が記者を取材現場に行かせてそれぞれに記事を書かせるよりも 代表会社がメモを起こして、それを各社の記者が自分なりの評価を加えて編集し、 それをもとに各社のデスクが記事を作るという作業は、効率だけを考えたらなかなか凄い仕組みです。 こんな仕組みを作り上げた過去の時代の記者たちというのは、 非常に優秀な官僚的素質をもった人だと思います(褒めてますよー)。 ただ、情報を融通し合っている中から本当の報道は生まれてこないわけで、 各社横並びの記事が出てくる温床でしょうし、 権力者に上手く使われてしまう原因にもなると思います。 逆に、今のような政権批判一辺倒の時代においては、意味もなく中身もない報道が 連日繰り返されるという無駄を生んでしまうわけで。 記者クラブさえなくなれば、それで解決するとは思いませんが、 記者クラブを凌駕する新たな存在が登場して、 別の角度での報道がなされて、読者や視聴者が選択できるという状況になれば良いなと思います。 これまでは、それを週刊誌が担ってきたのでしょうし、 これからの期待は、やはりネットニュースかと思います。 マスコミの報道を検証するツールとして、もしくは主たる情報源として ネットメディアが一層成長してくれることを願います。
![]() |
||
コメント |
コメントの投稿 |
トラックバック |
トラックバックURL
→http://seagullgroup.blog18.fc2.com/tb.php/5633-5626f980 |
| メイン |
|