『億男』
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- 2018/07/05(Thu) -
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川村元気 『億男』(マガジンハウス)、読了。
近所のおばちゃんが貸してくれた本。 ブックオフで気になっていた本です。 失踪した弟が残した3000万円の借金。 返済するために我武者羅に働く主人公と、 それについていけずに別居することとなった妻と娘。 これから何十年も変わらない暗い日々が続くと思われた主人公は ひょんなことから3億円を手に入れ、「億男」の仲間入り。 お金を巡る物語ですが、 小説というよりも哲学の本だと思いました。 お金とは、人生とは、幸せとは、について語った本です。 登場してくる人物は、借金の肩代わりをさせられた男、 ITベンチャーで財を成したのに高級マンションでカップラーメンを食べる男、 母からお金を嫌う教育を叩き込まれた女、 儲けた金を競馬につぎ込んでは増やしていく男、 お金にまつわる新興宗教を起こした男、 極端なキャラクターの人物ばかりが登場してきますが、 その誰もが、劇的な人生の裏で、哲学的な思想を伸ばしています。 その1つ1つの言葉が含蓄があって面白いです。 彼らの言葉に出会うためのストーリーであり、 そのご都合主義的な展開は、さして気になりませんでした。 ただ、最後の万佐子の章は、万佐子という人物の思想が良くつかめず、 最後に物語が仕切りれトンボみたいになってしまったような印象でした。 億の金と向き合ってきた人間たちとは異なる一般人のお金の思想を 表現したかったのかもしれませんが、あんまり刺さってきませんでした。 億の金に翻弄される人生は送りたくないですが、 億の金を相手にする仕事はしてみたいなという気持ちになりました。
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