『深夜にいる』
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- 2018/07/04(Wed) -
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香納諒一 『深夜にいる』(ハルキ文庫)、読了。
ブックオフで50円ワゴンセールにかけられていた作品。 「ハードボイルドかぁ・・・・・」とジャンルに若干難ありでしたが、 読んだことがある著者ということと、50円という値段で買ってしまいました。 短編が6編入っています。 冒頭から、ハードボイルド色の濃い作品が続き、 「日本じゃ、こんな話は起きないよ・・・・」と引きながらの読書でしたが、 表題作の「深夜にいる」は、ハードボイルド色が感じられず、 仕事と自己実現の板挟みみたいなところが 定年再雇用的な立場の主人公を通して描かれていて、 興味深い世界でした。 公共放送を定年退職したアナウンサーが、 深夜の生放送ラジオのMCとして再雇用され、底堅い人気を博している中で、 生放送中に電話をかけてきた聴衆者から浴びせられた非難の叫びと自殺予告。 誰が掛けてきたのか、本当に死んでしまうのか、 様々な思いが交錯する中で馬びあがった人物が・・・・・。 なぜ、そんなことをしたのかという本質の部分は私には良く分からないままでしたが、 公共放送のアナウンサーという仕事とか、定年を迎えたサラリーマンの心境とか そういうところが描かれていて興味深かったです。 まだ、自分事として捉えられない時間の壁があるから、面白い!とか言っていられるのですが。 結局、この短編種で分かったことは、私はハードボイルドが苦手だという 前から分かっていたことの再認識でした(苦笑)。
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