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『弘海 息子が海に還る朝』
- 2018/07/03(Tue) -
市川拓司 『弘海 息子が海に還る朝』(朝日文庫)、読了。

BookOffで50円ワゴンの中に入っていたので
なんとなく「海の話かぁ・・・」と買ってきました。

少しSFチックな要素が入っていて、
息子の体に起こる異変が物語の軸になってるのですが、
裏表紙のあらすじが異変の内容に踏み込んでしまってるので、
展開が読めてしまって非常に残念。

あと、子供たちが大人びた会話をしていて、
何歳だか分からない描写です。
「彼は19歳」とか言われても違和感ないぐらい年齢不詳の会話をします。
この観察力、表現力の無さはガッカリでした。

物語自体は、息子の異変に戸惑う両親と妹の家族の様子を描き、
その問題を乗り越えた時点から過去を振り返るという設定になってます。
乗り越えた後なので、主人公の感情は穏やかで、息子をはじめとする
家族への愛情に溢れています。
家族間の思いやりを感じるには、良い本だと思います。

ただ、息子が居なくなった現在において、
息子のことを家族みんなが過去形で話すのがちょっと気になっちゃいました。
「この曲が好きだったね」とか。
なんで過去形なのでしょうか?今もその曲が好きだと考えるのが普通では?
その人が亡くなるまで、遠く離れていても現在形で語りませんか?
特に家族なら。

家族が過去形で話すから、そういう展開なのかと覚悟して読んでましたが
そこも拍子抜けしました。

感動をさせようと著者が頑張ってるのはわかりますが、
小説家としての技量が足りていないように思えます。


弘海 (朝日文庫)弘海 (朝日文庫)
市川 拓司

朝日新聞出版 2007-10-10
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