『ちょいな人々』
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- 2018/06/04(Mon) -
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荻原浩 『ちょいな人々』(文春文庫)、読了。
短編集です。 荻原作品のユーモアセンスは好きですが、 時々、軽すぎるように思えてしまうことがあります。 本作はどちらかというと軽すぎ側でした。 冒頭の表題作は、勤務先の社長が、急遽カジュアルフライデーを言い出したことから カタブツの社風の会社が、ファッションの渦に巻き込まれていくというドタバタ劇。 そもそも主人公の中年オヤジが、冴えないのに自意識過剰というか、 勘違い系だったので共感できず。 かと言って、彼が勘違いした新人女子社員の言動の方も かなり狙ってやっている節があり、共感できず。 この2人の追いつ追われつを笑う作品なのでしょうけれど、 オジサンの勘違い以外の風刺になっていないような。 隣家との庭木や猫の侵入問題を扱ったり、 占い師なりたての男の生活費を稼ぐための奮闘記だったり、 いじめ電話相談室の職員を描いたお仕事小説だったり、 どれもテーマは面白いと思うのですが、味付けがなんとも軽くて・・・・・。 ドタバタコメディで終わってしまうのが残念でした。 もう少し、社会問題として深掘りしてくれたら面白いのにな。 問題の掘り返し方がちょいな感じでした(苦笑)。
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