『追想五断章』
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- 2018/05/23(Wed) -
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米澤穂信 『追想五断章』(集英社文庫)、読了。
古書店に居候する休学中の大学生が受けた仕事は、 亡くなった父親が密かに書いていたと思われる掌編5つを探してほしいというもの。 どの作品もリドルストーリーという結末の書かれていない小説。 しかし、依頼人の手元には、結末と思われる1行が5つ残されている・・・・・・ 他の米澤作品に比べて、なんだか本作は、じめじめ度が異様に高い気がして ちょっと馴染めない世界観でした。 そもそも主人公が、父の急死で家が傾き休学を余儀なくされ、 さらには実家の母親が、「寂しいから戻ってきてくれ」と暗にほのめかすプレッシャー、 居候先の古本屋の叔父は土地転がしに失敗し毎日パチンコ通い。 この環境が、すでに、じめじめです。 そこに登場する依頼人の女も、なんだか暗くて、 依頼の結果探し当てた小説の内容も、どんより暗い。 登場してくる主な人物はみんな若いはずなのに、 誰からも若さを感じられないんですよねー。 陰鬱。 5つのリドルストーリーが、結末云々の前に、 そもそもストーリーが面白くないということもあり、 読み進めるのが大変でした。 唯一、過去の事件についてセンセーショナルに取り上げたという 週刊誌の連中とのやりとりは、生き生きした世界のようで面白かったです。 この米澤穂信は、苦手な世界でした。
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