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『おりの中の秘密』
- 2018/05/05(Sat) -
ジーン・ウィリス 『おりの中の秘密』(あすなろ書房)、読了。

こちらも「読みたい本リスト」にあった作品。
取り寄せたら「指定図書 小学校高学年」の帯が(苦笑)。

耳は聞こえるのに話せない主人公の男の子。
友達とも馴染めず、ひとり動物園で過ごすことが多い彼は、
ある日、ゴリラの檻の前に佇んでいると、メスゴリラが手話で話しかけてきた・・・・・・。

軸となる話は、話の出来ない少年とお母さんゴリラとの手話による交流なのですが、
そこに、障害者への配慮とみせかけた差別だったり、
動物園の種の保護プログラムとみせかけた商業主義だったり、
結構、難しい社会問題も含んでいて、大人でも考えさせられる作品です。

少年の決死の突撃により、
ゴリラの檻の中には、悲しみに満ちたお母さんゴリラ、少年、そして生まれたばかりの少年の妹。
檻の外の人には、間違って檻の中に入ってしまった(?)少年の手から
小さな妹をゴリラが奪って人質にしているように見えてしまいます。
慌てふためく大人たち。

しかし、少年は自分の意思でゴリラの檻に入り、妹をゴリラに預けたのです。
その真意は、そして、何をみんなに伝えたかったのか・・・・。
話せなかった少年が、自分の思いを伝える・・・・展開は王道ですが、
それでもやっぱり、彼の訴えたかった内容が胸を打ちます。
そこに重ねられる、お母さんゴリラの思いも。

喋れないという状況は、自分の心理状態が招いた困難だったかもしれませんが、
それを克服し、人間の思い上がった動物管理の考え方をも打ち破り、
自らの思いを周囲に納得させるという少年の行動力には、あっぱれです。


おりの中の秘密おりの中の秘密
ジーン ウィリス Jeanne Willis

あすなろ書房 2005-11
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