『穴』
- 2018/05/02(Wed) -
ルイス・サッカー 『穴』(講談社)、読了。

私の「読みたい本リスト」にあった海外作品を片っ端からBookoffオンラインで探したときにヒットした一冊。
タイトルから全く中身が想像できなかったのですが、届いてみたら児童書のような装丁。
でも、タイトルが「穴」。なんだこりゃ?
興味本位で読み始めました。

スニーカーを盗んだとして、少年キャンプに送られた主人公の少年。
そこでは、毎日毎日、大きな穴を1つ掘ることが課せられます。
穴自体に意味はなく、単に、それが鍛錬になるからという理由で。
逃げようにも荒野のど真ん中で逃げた先にあるのは飢え死にか渇き死。
無意味な穴掘りを毎日、毎日続けていると、穴の底から金属の何かが・・・・・。

この一見荒唐無稽な、でもこの物語の世界の中では論が通っている更生施設での話が軸になりながら
もう一つは、主人公のスタンリー・イェルナッツ一族に代々伝わる呪いの話が絡んできます。
この呪いを受けた一族の男たちのエピソードがまた哀しくも情けない。
でも、それがスタンリー少年の今置かれている立場に繋がってくるという
伏線の回収も楽しめます。

でも、私が個人的に一番面白いと思ったのは、
このキャンプでの変化のない日々を主人公の目で描写した部分。
基本パターンの繰り返しでありながら、主人公の目は、小さな変化を捉え、
同僚(同囚?)の少年たちのキャラクター把握に努め、
見張り役の大人たちの眼差しの先にある真の目的を探ろうとします。

この少年の日常成長譚の部分が、後半の冒険譚での成長よりも
読んでいて興味深く感じました。

冒険譚は、なかばファンタジーなのですが、
この世界なりに筋が通っていると思え、全てが締まったお話だと思いました。

ところで、こんな児童文学の作品、
いったいどこの書評で書かれているのを目にして、読みたい本リストにいれたんだろうか?
全然記憶にありません(苦笑)。


穴 HOLES (ユースセレクション)穴 HOLES (ユースセレクション)
ルイス・サッカー Louis Sachar

講談社 1999-10-22
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