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『県立コガネムシ高校野球部』
- 2018/04/04(Wed) -
永田俊也 『県立コガネムシ高校野球部』(文春文庫)、読了。

BookOffのワゴンに平積みになっていて、
高校野球モノなら大ハズレはないだろうと思って買って来たら、
思いのほか当たりでした。

IT企業の女社長が経営不安のプロ野球球団を買収しようとしたら
球界のドン・モモカンから嫌がらせをされ、買収失敗。
その雪辱を晴らすため、モモカンの孫が所属する長野県の高校野球でやっつけようと、
長野県内の弱小県立高校に多額の寄付をして野球部を乗っ取るという暴挙に。

豪華な寮を建てて他部の優秀なメンバーを野球部に引き抜いたり、
部員1人1人に外国人の専属コーチを付けて特訓したり、
対戦相手のグラウンド外での弱みを暴いて突きまくったり、
あの手この手で、夏の甲子園・長野大会を勝ち進み、モモカンの孫の学校と決勝で対決!

まぁ、ドタバタコメディなので、高校野球を舐めるな!という意見も出そうですが、
私は楽しめました。
まず、高校野球に付きまとう、変なキレイゴト精神に対して、
この女社長は一刀両断、勝つことが全てという方針で挑みます。
そして、できる限りのすべての手を打ち、かつ無駄なことは一切しない。
この本音ベースの戦略が、読んでいて面白かったです。
高校野球を舞台にしながら、ビジネス書を読んでいるかのような。
(決して、ドラッガーのような高尚なものではなく、IT成金的な発想ですが・苦笑)

そして、野球というスポーツが、他のサッカーやバレーボール、バスケ等の
スピードのある競技と違って、1球1球間が開くというチンタラした競技なので、
考える間がある=頭を使うと大きな成果が得られるという点で、
他のスポーツよりは、弱小県立進学校が勝ち進むというストーリーにも
現実味は少しはあるかなと思わせてくれます。

実際、進学校が甲子園に出てくることはありますし、
長野県という舞台がまた、甲子園で上位に食い込むような土地柄ではないというところも
リアリティを少し押し上げています。
(逆に、なんでモモカンの孫が長野県なんかに居るのか?という疑問は湧きましたが)

練習風景の描写や、試合の描写も、
結構しっかり各場面を描いているのに間延びせず、
ページ数も一般的なボリュームに収まっているので、
書くべきこと、書かなくて良いことをしっかり見極めて、無駄なく描いたんだなと思いました。

前に、東京の進学校である開成高校の野球部のルポを読みましたが、
実際に存在している彼らよりも、コガネムシ高校野球部の方が
野球人としては、リアリティがあるように感じてしまいました(笑)。


県立コガネムシ高校野球部 (文春文庫)県立コガネムシ高校野球部 (文春文庫)
永田 俊也

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