『俺は、中小企業のおやじ』
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- 2018/03/26(Mon) -
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鈴木修 『俺は、中小企業のおやじ』(日本経済新聞出版社)、読了。
「私の履歴書」をまとめたものかと思いきや、 オリジナルの本だったようです。 スズキに入社してからご自身が携わってきたプロジェクトの話や、 社長に就任してからの経営判断について素直に語られています。 創業者一家の婿養子として迎えられるというのは 相当なプレッシャーだったと思いますが、 そのあたりについては淡々と語られています。 そこは、「私の履歴書」タッチだったら、もっと情緒的に振り返られたと思いますが、 残念ながらそういう私的な感情は抜きにして描写されています。 で、全般的に感じたことは、大失敗はしない人だなということ。 成功したところに強くスポットを当てているだけかもしれませんが、 大コケしてないところが凄いなと。 ま、婿の立場でコケたら先が無くなるのかもしれませんが。 アメリカ進出のケースは、結果の数字からすると大失敗なのかもしれませんが、 本社の動きの悪さをチクリとやって、どこに責任があったのか何となく曖昧に。 ご本人の文章を読んでいると、どこ吹く風な感じもあり、その心の強さというか 鈍感さ(を装える)というのも大事なのかもしれませんね。 この方は、経営者として、とにかくメッセージが分かりやすいと思いました。 「小・少・軽・短・美」「1部品1グラム1円低減」 「率は実態を覆い隠す、個数と金額で判断せよ」 従業員が何を基準に動けばよいか、単純明快です。 このメッセージが出ていれば、困ったことが生じても、 自分がどういう方向を向けばよいのか判断がつけやすいのではないでしょうか。 トップが出したメッセージを、組織がきちんと実行して、結実させる。 この成功体験があれば、次のメッセージにも1人1人が本気で取り組むと思います。 これぞ、あるべき経営者の姿だなと。 社長の立場で、インド進出の際にはインド政府のスタッフと3時間にわたって 自ら説明を行ったり、行動力とスピードがあるのも素晴らしいです。 これだけ大きな企業になっても、「俺は中小企業のおやじ」と言って、 中小企業並みの行動力とスピードを維持しようとする姿勢が伝わってきます。 小っちゃい組織を運営している身として、 学ばなければいけないところがたくさん学べる本でした。
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