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『それでも日本は原発を止められない』
- 2018/02/28(Wed) -
山名元、森本敏、中野剛志 『それでも日本は原発を止められない』(産経新聞出版)、読了。

3.11の原発事故を受けて、原発技術の専門家、外務畑の専門家、産業畑の専門家が
それぞれの組み合わせで対談を行った本。

大震災から半年の段階で、「原発は維持すべし」という主張をしているのは
読み手側が冷静な状態ではなかったと思うので、
リスキーな出版だったのではないかと思いますが、大事な議論ですね。

私自身は、何度もこのBlogで書いている通り
今存在している原発は使い切るべきだと思っているので、
本作の主張はすんなり受け止めることができました。

今回印象に残ったのは、日本における原発反対運動の姿を
憲法9条護憲派と重ねている中野氏の論。
原発事故後、脱原発、卒原発、安全再確認などの様々な主張が出てきた中で
原発に頼らないエネルギー政策の展望を示さないまま兎に角脱原発だと言い募る姿は、
日本から自衛隊をなくせば極東の緊張状態は緩和されるという理論を振りかざす姿に
相似してますね。
その、未来に起こりうる事象に対する責任感の無さが。

そして、森本氏が指摘する、反原発の声の出所について、
原発運営にはテロ対策や安全保障の問題から、どうしても国家が前面に立たざるを得ず、
その国家の介入という状況に拒絶反応を示す「反国家」の人々が、
声高に脱原発を主張しているという点にも納得。
先の中野氏の指摘とも繋がっていきますが、
結局、日本という国をどうするか、どういう国家観を描くかという大局的な話ではなく
反国家というイデオロギーの主張に陥ってしまっているというのが
保守本流の人々と脱原発の人々との議論の嚙み合わなさなんだろうなと思います。

本作では、1人の人間が、自分の専門分野から主張を繰り広げるのではなく、
3人の異なる専門分野を持つ人々が、それぞれの立場から主張を行い、
相互確認をしながら原発維持の主張を出しているので、
議論の幅広さという点でも安心して読めました。

ところで、反原発を声高に叫んでいた方々って
最近、静かになってきた気がするのですが、どうなってるんですかね?
マスコミの関心が他に向いてしまって、報道されなくなっちゃったというだけで、
反原発活動はしっかりと続いているのでしょうかね。
こういう大事な問題はきちんと議論しきって方針を決めるべきだと思うので、
原発維持派、反原発派で、しっかりと中身のある議論をしてほしいです。


それでも日本は原発を止められないそれでも日本は原発を止められない
山名元 森本敏 中野剛志

産経新聞出版 2011-10-05
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