『だれかのことを強く思ってみたかった』
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- 2018/03/04(Sun) -
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角田光代、佐内正史 『だれかのことを強く思ってみたかった』(集英社文庫)、読了。
角田さんの文章に佐内さんが写真を付けたのか、 佐内さんの写真に角田さんが文章を付けたのか、 それとも2人で同じ場所に行って見た風景をそれぞれの視点で作品にしたのか、 プロセスを想像するのが面白い作品でした。 本読みが趣味なので、やっぱり文章を中心に本作は楽しみましたが、 角田さんの「記憶」は、完全に自分のことなのか、 それとも自分の思い出をもとに再構成された物語なのか、 どこまでが事実なんだろうかと想像する楽しみもありました。 思いのほか男性と赤裸々な恋をしていたり、不倫もあったり、 勉強の方も浪人したり留年したり、 私の中での角田さんって、もう少ししっかりした人のイメージだったので ちょっと意外でした。 少女の頃も、家族の話や同じ誕生日の友人たちの話を読むと 結構、屈折してるというか、痛い感じも受けてしまいます。 お父さんとの思い出話を読むと、小学1年生の時点でそんな感じで、 おませさんということなのか、感情の振れが大きいということなのか。 私自身が、あまり反抗期とか、大人への不信感とか持ったことのない かなり平和ボケな子供だったので、あんまり共感できないというか、 そもそもそういう心情に理解が及びません。 最近、欅坂46の楽曲をよく聞くようになり、 彼女たちのパフォーマンスは大好きですが、 正直、曲の世界観は、反骨精神というよりは中二病だなぁと思います。 そこは、「世の中にはそういう人もいるよね~」ぐらいで、自分事としては捉えられないです。 というようなことを、本作を読みながら考えたりしました。 とにかく自分は平和ボケな小中高校生時代を送ってきたなぁと。 読書は、こうやって全く違う価値観の人生を歩んできた人の頭の中を覗けるので やっぱり面白いなぁと思います。 そして、写真は、「あぁ、東京だなぁ」と、ただひたすらそのことを感じていました。 東京から三重に引っ越して結構経ちますが、 東京という町が持つ魅力は、東京にしかないものであり、 やっぱり魅力的なものだと思います。 都会的という点だけでなく、下町の様子や住宅街の様子や あらゆる面で東京は独特です。 そこで20年近く人生を送れたというのは、自分にとって大きな財産だなと 田舎に暮らしてつくづく思います。
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