『ザ・万遊記』
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- 2018/02/22(Thu) -
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万城目学 『ザ・万遊記』(集英社文庫)、読了。
万城目さんのエッセイはお初です。 いろんな雑誌に掲載されたエッセイが組み合わされていたようで、 スポーツ観戦モノ、自著の解説風なモノ、温泉レポート、 はたまた「今月の渡辺篤史」と、色とりどり(苦笑)。 どれも短く無駄のないエッセイで読みやすかったです。 そして、スポーツ観戦にしても、自分の知識をひけらかさないというか、 思い入れをあまりゴテゴテと語らないというか、 さっぱりした味付けが読んでいて気持ち良いです。 スポーツ観戦しながら温泉に入る旅行記というテーマのエッセイなのに、 第2回目にして、出発前日にアキレス腱を断裂し、 以降2か月遠出が出来ないというアクシデントが起こるという 企画潰しの天才である一面も楽しめます。 北京五輪の取材に行き、スタジアムに居るのにボルトの走りを見逃すとか(爆)。 そういうフワフワした味付けのエッセイなのに ある日突然、サッカーW杯予選の北朝鮮-日本戦を見に北朝鮮まで行ってしまうとか 突如、暴挙に出るとことが油断なりません。 試合の内容云々よりも、北朝鮮入国レポートそのものが興味深くて、 一般の日本人でも行こうと思えば行けちゃうんだなぁ・・・・・と変な感想を持ちました。 この観戦ツアーに帯同した現地ガイドが一番気になる存在だったのですが、 スタジアムでは日本人一行を取り囲む軍人の態度に気が気でない様子ですが、 バスの中に戻ると、北朝鮮政権にちょっと皮肉を言って日本人を笑わせるような トーク力を見せます。 この人って、北朝鮮における自分の暮らしをどう感じているのでしょうかね。 上手く繕って良い生活を確保しようという感じなのですかね。 日本人との接触で、当然、日本をはじめとする外部世界の様子は知ってるのでしょうから、 どこかで、政治状況への不満みたいなものが爆発しないのかなと そいういうところが気になってしましました。 あんまり、最近は、小説家さんのエッセイを読まないようにしているのですが、 今後もスポーツ観戦モノなどの企画が面白そうなら、 万城目さんのエッセイは読んでみようかな。
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